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 言葉足らずの質問に対して彼女は微笑み返した。    そこでまた、恭介の思考は別の方向へと向かう。    恭介自身の力ではどう考えても助からなかった。そこまでは良い。彼女に助けられたこと、それは良くない。 「えっ、どうやって」 「普通に?」  彼女も咄嗟のことだったのか返答が曖昧だ。 「体制を立て直して、それで手を引っ張ったんだと思います」    つまり、彼女は空中で前のめりになった姿勢を元に戻して恭介を助けたのだろう。ほんの一秒にも満たない時間の中でどうやってやったのかはわからないが、ひとまず自分が罪に問われることがないことに一安心する。    忙しなく変動させられる心が少しづつ平常を取り戻すと、恭介は然るべき処置を行うことにした。 「あ、とりあえず警察呼びましょう」    救急車の方がいいのだろうか、結局どっちを呼べばいいのかわからなかったので両方呼んでおくことになった。    色んなことが起きて軽くパニックを起こしていたためあとから気づいたが、トラックは近くのガードレールと電柱を犠牲にして止まっていた。全く悲惨な光景だと他人事のようにボヤくが、恭介も当事者である。       
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