2)OZの始まり

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【松下海斗】 復讐の対象は僕だけではなかったようだ。 僕は少し安堵した。 【OZ】内で皆が事件を憶測をする中で気が付けば朝を迎えていた。  僕が犯人を捕まえる! MOMOにアピールがてら格好つけてみたものの ひきこもりの僕に調査の策などないし、踏み出す勇気もない 僕が今一番に怪しんでいるのは Kだ。 今回もKは不可解なコメントをした。 【OZ】の中ではハムスタ-が死骸であった事には誰も触れていないはずだ。 それなのにKは、死骸である事を知っていた。 腹が減り、1階に降りるも母はまだ寝ているようだ。 たまには散歩がてらコンビニでも行ってみる事にした。 週刊誌を手に取ろうとすると高校生くらいの少年に先を越された。 少年は記事を読むなり、激情し週刊誌の数ページを破り捨てた。 コンビニの店員が慌ててやってきた。  「すみません、週刊誌は買い取ります。すみません すみません」 我に返った少年は必死に謝罪するが、お金がない様子だ。 助けをもとめるような眼で少年は僕の方を見ている。 僕も週刊誌を見たかった事もあり、思い切って店員に話しかけた。  「あの僕、その週刊誌読みたいので買い取りますよ」  「そんな事してもらうわけにはいきませんよ」 店員と話していると、 少年はいつの間にはその場からいなくなっていた。 赤いペンダントを落としていったようだ。   「まったく 困ったもんだよ」 聞くと、少年は近所のボランティア団体に所属しているらしく 赤いペンダントはそのシンボルマークとの事だ。 情緒不安定なところがあるらしく、時々 問題を起こす事があるようだ。 結局、雑誌は無料でもらえる事になった。 家に帰り母に訪ねた。   「恵介って覚えてる?」   「外出してきたの?海斗    佐々木恵介くん?・・・ さあ あまり覚えてないわね」 母は少し考えたが、覚えていない様子だ。 ずっと家にこもっていた僕が朝から外出した事が嬉しそうだった。 結局のところ、事件についての進捗は得られなかった。
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