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【白石雪】
「白石さん お待たせしました」
今日は、美容クリニックにレーザー脱毛にきている。
美への憧れはいつの時代も不変であり外見は人生は左右する、これは事実である。
私は白石雪、YUKIとしてプログに参加した。
【OZ】には時々立ち寄る程度だ。
私にはハムスターも届いていないし、復讐される覚えもない。
申し訳ないけど剛の事件もランチ会もずっと忘れて日常を生きてきた。
私だって剛に負けず劣らず、つらい人生だった。
小学生時代から名前に不釣り合いな外見。
白石雪という綺麗な名前は私を苦しめた。
小学生低学年の頃、
1番最初のいじめの対象は私だった事を皆は覚えていないのだろう。
1人で昼休みに下を向いて過ごす私に海斗が話しかけてきてくれた。
そんな海斗にずっと憧れている。。
私はつらい事が多かった小学生時代の事は忘れるように生きてきた。
私の中にはいくつかの鍵がかけられた記憶の箱が散乱している。
皆と離れてからも白石雪という名前が私を苦しめ続けた。
中学生時代も私に友達など1人もいない。
高校に入っても私の人生は暗いままだった。
自ら人生に幕を閉じようとも考えた事もある。
TVでみた整形番組、それをきっかけに私は生まれ変わることを決めた。
高校を中退後、整形しバイトしながら自分を磨く毎日を過ごしている。
剛の事件なんて忘れるほど、私は自分の人生を必死に生きてきた。
関東4人で集まろうと提案したのは、海斗に会いたかったからだ。
生まれ変わった私を海斗に見てもらいたい。
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