2

3/14
1194人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
 わたわたと落ち着きのない徹を不審げに見ていた御門が、むっと口を引き締める。  何か気に障っただろうかと徹が不安になって眉を下げると、御門が盛大に息を吐き出した。 「足首、見たんだろう? だから嫌だったんだ。合コンなんてっ。くそっ」  見た目の割に口が悪いんだなあと思ったが、それはそれでいいな、とわけのわからない事を考えていた徹を、御門は険悪な表情で睨んでくる。黙っててくれと頼んでいる割に高圧的な人だなと、徹は今まで知り得なかった御門を目の前にして、ひたすらそれを見れたことを喜んでいた。 「お前……大丈夫か?」  睨まれているというのににこにことしている徹の事が心配になった御門が、今度は困惑顔になる。 「えっ、はい。大丈夫ですっ」  何を心配されているのかわからずに徹は、それでもそう答えた。気になる人に心配されるということは嬉しいものなのだ。  どうもまともに意思の疎通が出来ていないと悟った御門は、綺麗に整えられた髪の毛に指を通して面倒くさそうに表情を歪めた。 「あのな、俺の足首にあるもの、見たんだよな?」  御門が今度は落ち着いてはっきりと訊ねてきたので、徹は「はい」と頷いてみせる。 「それを、誰にも言わないでくれと頼んでるんだが」  徹はきょとんと首を傾げて、御門を見つめた。     
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!