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「お前、クラスの女の子を虐めたそうだな。雨が降ってるからといって、無理やりに傘の中に入ったそうじゃないか。相手が嫌がっているのに、どうしてそんなことをした!?」
父は詰問するなり、いきなり僕の頬を平手打ちした。
そのあとですぐに母が状況を説明してくれた。近所のおばさんが一部始終を目撃したのだという。
「違うよ!そんなことしてないよ!」
必死に反論したが、誤解がとけることはなかった。それどころか、両親はますます激昂して、深夜にもかかわらず大声を張り上げた。叱責から早く逃れたい一心で、つい謝ってしまった。両親は絶対的存在だったのだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい。もうしません」
謝罪の言葉が火に油を注ぐことになるとは予想もしていなかった。子供心に素直に認めれば許されると思っていたのだ。
「この大馬鹿ものがあ!正座して、歯を食いしばれえ!」
父親のごつい拳骨が僕の右頬を打った。僕の頭は振り子のように揺れて、文字通りぶっ飛ばされた。二発目は左頬を殴られた。鼻血が噴き出す。手加減なんかしない。母が止めに入ってくれなければ、もっとひどい目に遭っていただろう。
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