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「あぁ…。
何て、気持ちの良い青空なのかしら…」
墨田凛は…
目の前に広がる雲一つ無い青空を見詰めた。
昨夜…
彼女は、ある夢を見た。
その夢の中に、
あのシロとクロが、出て来て…
優しい表情でこちらをじっと見詰めていた…。
そして、今朝…
凛が裏庭を見てみると…
あの大木に咲いていた、
『半分桜』は…
跡形も無く姿を消し、
いつもの様に青々とした深緑が大木を覆っていたのだった。
「やっぱり…
お前達だったんだねぇ…」
彼女は、目を細めながら優しく呟いた。
「また、
いつでも遊びにおいでね…。待ってるよ!」
明るい日射しを浴びて…
深緑が、キラキラと輝いていた。
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