【夏~後日談~】

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そして! 実は、もう一つ… お婆ちゃんからの手紙で、私と束砂が一番、驚いた事が有る! それは! 何と! 墨田のお婆ちゃんが… この町の… あの、お巡りさんと… 『お付き合い』を始めたんだそうだ! あの、初老のお巡りさん… 私と束砂が、過去に二度、この町を訪れた時、 その二度ともお婆ちゃんを助けようと、懸命に尽力してくれた…。 もちろん、当然、仕事として私達に力を貸してくれたんだろうけど…。 と… 「いやぁ、お婆ちゃんも隅に置けないよなぁ!大地!」 束砂がニヤニヤしながら、そう言って来た。 「ホントだよな! 今は、夏だけどお婆ちゃんに春がやって来たな!」 私も笑いながら答えた。 すると… 「そ、そうだよな!! と、言う訳で!自分にも春がやって来て欲しいんだよ!大地!」 「ハハハ、何だそりゃ」 と、私が笑うと… そこで… 束砂は、急に真剣な表情になり… 「実は… 前から言おう言おうと、思ってたんだけど…」 彼は、そこで少し間を置くと… いきなり! 「大地さん! 正式に、自分とお付き合いして下さい!!」 と!ペコリッ!と、 その場で深々と頭を下げて来たではないか! 「えーっ?!!」 わ、私は! 彼の、めちゃめちゃ急な『不意打ち』に! 思わず、頭にカァーッ!と、血が昇ってしまった!! …おいおい… 読者の皆さん…。 私、こう見えて女だぜ…。 と… 「いやぁ!お前達!よう来たねぇ!」 今度は、遠くの方で声が聞こえたので、 そちらを見てると… 墨田のお婆ちゃんが 満面の笑顔で、こちらに手を振っていた。 そして、その横には… 私服姿の…あのお巡りさんが、やはり満面の笑顔でこちらに手を振っていた。 こりゃ… ダブル・デートだぁ!! 私が照れまくりながら、 お婆ちゃん達に笑顔で頭を下げると… 『皆さん!! おめでとうニャッ!!!』 と… 何とも、可愛らしい声が、 どこからか、 聞こえたような気が… 私には、したのだった。 ~おしまい~
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