告白

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 助け舟のはずの翔吾が、逆に煽ることになってしまったのだ。  立つ瀬の無くなった兄は、ますます唇をとがらせる弟のグラスに新しい酒を注ぐと、その肩に手を回し軽く揺さぶった。と、その時。 「手取り足取り、教えてくれるんですか」 「え?」  拗ねた眼をしてこちらを向く凌也の眼は、幼い頃から変わらない色をしている。 「お前がそうして欲しいならな」 「……」
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