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あとがき
拙作をご高覧いただき、ありがとうございます。
この話は、超妄想コン第98回「となり」に応募しています。
今回の話は、以前の『エタニティ・ラブ』に続き、拙作『悖徳者は腥風に嗤う』シリーズの登場人物によるスピンオフです。
ですが、本編や登場人物を知らなくても、人物の関係が掴めるように書いています(書いたつもりです)。
シリーズを既読いただいている方には、譲治と優華と達哉の関係はご存知でしょう。
本作中でも語られていますが、今一度、彼らの関係に触れさせていただきますね。
まず、本作の主人公、優華ですが――彼女は、ボスの会社が経営している「会員制高級クラブ」のママです。彼女は、ボスの会社の総務部主任だった達哉と出会い、恋人関係になりました。
その達哉が、偶然拾ったやんちゃな若者が、譲治です。達哉に「理想の男」を見て、一途に慕う譲治は、やがて総務部に配属になり、達哉と行動を共にします。
ある時、2人が携わる仕事の潜入先で罠に嵌まり、譲治は大怪我を負い、達哉は帰らぬ人となります。
それから――何年も経ち、譲治が仕事で優華の店を訪れたことをきっかけに、2人は付き合い始めるのです。(この辺りは本編『悖徳者は聖夜に嗤う』をご覧いただければ幸いです)
この話では、ジャスミンティーと思い出の曲を引き金 に、かつての達哉との出会いやエピソードを思い出しつつ、現在の譲治との関係にも思い馳せる優華の心模様を描きました。
20代半ばの夢中で一生懸命な恋愛と、40代に差し掛かっての自然体で穏やかな恋愛。
達哉は年上で、グイグイ引っ張っていく、少し強引な(俺様)タイプ。
一方の譲治は、かなり年下で、包容力はあるものの、女心にはやや鈍い恋愛下手なタイプ。
彼女の心の中で、いつも両天秤の如く「となり」に居る2人の男性――。
ジャスミンティーを飲み終える頃、その天秤は傾いていきます。
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