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「だって私! 悠里のこと、大好きだから!」
「……へ?」
今、なんて?
あまりにも突然の言葉に頭が真っ白になる。
お嬢様はなんて言った? 大好き? 誰のことが? ……僕が?
「……ええええぇぇぇぇ!?」
住宅街に僕の驚きの声と同時に、お嬢様の小気味良いカラカラとした笑い声が響き渡った。僕も、お嬢様も顔が真っ赤だったのはきっと夕陽のせいだろう。そんな赤い顔を隠そうともしないお嬢様はニコリと微笑んで言うのだった。
「これからもよろしくね! 悠里!」
そう。これは使用人が大好きなお嬢様と、そんなお嬢様に振り回される使用人のお話。
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