まだ見ぬ未来

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まだ見ぬ未来

「ユリ、もう動くのも大変そうだね。」 「はい、さすがに臨月ですもの。私、もともと動くのは遅いけど、輪をかけて何をするのもノロノロで・・・ふぅ。」 「重そう。」 「ふふっ。重いですよ?もう寝るときに上を向いて眠れないんです。」 「だろうなぁ・・・さあ、座って休みなさい。」 「はぁい。・・・よいしょ。」 夕食後、二人でソファに座り寛ぐ。 自分の靴下を履くのも難しいほど、せり出たお腹をゆっくり撫でる私と、その手に重なる彼の大きな手。傍らには、すっかり愛読書となった育児書。 最近は、その育児書の「名付けのコツ」というページにしおりが挟んである。 予定日まで、3週間ほどとなった。
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