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彼が寝ていたはずのソファには、病院から借りたらしい毛布がキチンと畳まれていた。
再びドアを開ける気配がして、そちらに目を向けると、缶コーヒーを持った彼がワイシャツの袖を捲りあげながら、私の横へ近づいて来る。
「ユリ?起こしちゃったかな?」
「・・・・おはよう。」
「おはよう。体は、どうだ?」
「うーん・・・昨日より良いです。」
「そう。」
それを聞いた彼はニッコリ笑って、ベッドの端に腰掛けると私の枕の横に肘を置き、ゆっくりと慈しむような「おはよう」のキスをくれた。
「洋一さん、眠れました?」
「ん、寝たよ。このソファも意外と快適だった。・・・ユリも、ぐっすり寝てたようだね。」
「よく、眠れました。」
「良かった・・・俺はこれから一度家に戻るよ。着替えてから会社に行く。」
「はい。」
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