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テーブルの花
それから彼は仕事が終わると、駅から自宅までの途中にあるこの病院に、毎日来てくれた。
仕事が忙しいと面会時間のギリギリに病室へ入り5分ほどで帰ることもあったが、それでも毎日私に会いに来てくれる。
お休みの日は家のことを済ませると、午前中から私のベッドの横にいて話をしたり本を読んだり、長い時間側にいてくれた。
顔を見ると必ず二人して鼻を摘まみ、秘密の合図を送って楽しんだ。
母も毎日午後3時頃に、必ず顔を見せてくれた。
おやつの時間に合わせ、淹れたてのコーヒーをポットに入れ、少しのお菓子とともに届けてくれる。たちのぼる香りが、いつも私を癒した。
父も休日は母と一緒に来て、いつも私のお気に入りの洋菓子店でシュークリームを4つ買ってきてくれた。4人部屋にいる私の他の妊婦さんにも、と。
他にも兄夫婦、会社の同僚や先輩、そして上司の杉山課長までが、お見舞いに来てくれた。
お陰でベッドのまわりは、いつもたくさんの花が飾られていた。
そんな毎日の中で、私の体は次第に回復していく。
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