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点滴の針が抜かれた時は、体が軽くなった気がして、飛び上がるほど嬉しかった。
シャワーを浴びられるようになったこと、そして少しなら歩いても良い許可を先生からもらったことが、胸を踊らせた。
その後、彼が病院から自宅へ帰る時は、エレベーターの前まで見送った。
たった数メートルの彼との散歩に心が充たされ、お腹の中の赤ちゃんも順調に大きくなっていく。
そして
待ちに待った退院は、入院してからちょうど40日後のこと。
休みをとって迎えに来てくれた彼が大きな荷物を持ったままドアを開けて、「どうぞ?」と私を促す。
もう夏の気配を感じるほどの、眩しい日射しが降り注ぐリビングへ、お腹を撫でながら入る。
予想通りキチンと掃除された部屋の真ん中を見ると、お見舞いで貰った花がテーブルの上に生けてあった。
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