まだ見ぬ未来

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退院してしばらくは自宅療養していたが、その後少しの期間だけ会社へ通うことができた。産婦人科の先生も、胎児が安定しているので無理のない程度に、と言ってくれたので。 突然の出血から入院になってしまった私は、この後の育児休暇に入る前に、せめて引き継ぎをしておきたかったのだ。 気持ちの整理も出来て、育児用品の準備も済ませ、お腹の赤ちゃんは順調に大きくなり、いよいよ出産を待つばかり。 出産時の痛みは、お腹の上にカバが乗ってダンスをしている感じだとか、鼻からスイカを出すようなものだとか、すでにお母さんになっている友達が言っていた。 しかし私は、それを不安に感じるよりも、早く赤ちゃんに会いたい気持ちでいっぱいだった。 それはお腹の中の赤ちゃんが男の子だと聞いていたから。 彼にそっくりの、男の子・・・ 考えただけで私の顔は緩んでしまうのだった。
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