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「よいしょっ・・・と。」
「何するの?」
「え?喉が渇いたから、お水を飲むだけですよ。」
「ならユリは座ってろ。俺が水を持ってきてあげるから。」
「いいですよ、自分で・・・。」
「座ってろって。」
「はぁ・・・そうですか?」
「何かしてあげたいんだよ。水ね、オッケ。」
彼はそう言い終わる前にサッと立ち上がり、私の両肩に手を置いてソファへ座らせ、キッチンへ消えていった。
「ふふっ。甘やかし過ぎ・・・。」
頼もしくて、誠実で、優しい人。
生まれてくる男の子は、そんな彼の愛情を感じ、彼の背中を見て育ち、彼に守られてゆくだろう。
そして彼に似て・・・頼もしく、誠実で、優しい人になるだろう。
まだ見ぬ未来に思いを馳せ
胸の奥に溢れでる幸せを、感じていた。
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