離ればなれの夜3

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1泊の研修に、懇親会・・・ その場に彼女がいるというだけで、私は嫉妬してるの・・・ 私はあなたの妻になっているのに、あなたは私を裏切らないと信じているのに、関係を疑ってなんかいないのに、私は嫉妬してるのよ・・・ 嫌な、私・・・なの・・・ 頭の中に黒いものが充満し、考えがおかしくなる。 恐ろしく深い自己嫌悪に陥る。 『ユリ?・・・ユリッ!』 「はっ・・・はい・・・。」 『マジで大丈夫なのか?』 「大丈夫ですよ・・・大丈夫。・・・洋一さん、今日は仕事が忙しくて疲れちゃった。もう休みます。・・・他にお話しは?」 『え・・・いや、疲れてるなら寝たほうが良い。こんな時間になって本当に悪かったね。明日帰るから。』 「はい・・・おやすみなさい。」 『おやすみ、ユリ。』 二人で沈黙する。電話をきるタイミングがわからず、彼がきってからにしようと思っていたら、おそらく彼も同じ考えでいたらしい。 いつもより広い空間にポツンと一人きりの寂しげな私が、電源のついていないテレビの黒い画面に反射して映っている。 電話の向こうの音はドアが閉まったからなのか、もう何も聞こえなかった。ただ、彼の息遣いだけが私の耳に届く。
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