この世界は宝物なのだ

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例え捨てられた子供だったとしても、養父は差別しなかった。 それどころか、誰より何より大事にしてくれた。 学校で辛いことがあって泣いて帰ると、髪を撫でてくれた。 「七架をぶった子はきっと、今はまだわからないんだ」 「……」 「七架だってわからない筈だよ」 「なにを……?」 「ぶったら痛いし、ぶたれたら痛いってことをだ」 「私わかるよ! 痛いもん!」 違うよ、と言葉を加える。 「本当に幸せな子は、他人の不幸を願ったりしないものだ。それが、いつかわかるよ」
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