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養父しか家族がいなかった所為か、私はいつもひな鳥のようだった。
ついてまわり、離れるのを恐れた。
「もっと大人になったら、ひとりの時間、自分自身がなにをどう選びたいか、考える時間も必要だよ」
私は嫌だと首を振った。
いっそ養父の大事な人になりたい程に、とても愛していたのだ。
「いつか俺がいなくなったら……。七架は生きてゆけるの?」
「俺は、しっかり自分を持って、愛する人、大事なもの探しをしてほしいんだよ?」
養父の為に、私は変わらなければいけない。
それは、恩返しでもあるのだ。
どんなに哀しくても、どんなに苦しくても。
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