3人が本棚に入れています
本棚に追加
「一体誰がこんな物を。
いつ送られてきたんです」
「…ああ、それは…えーっと」
「なんでそんなにゆったりしてるんですか。
内容読みました?」
「読んだよ。でも…」
「腹が立たないんですか? こんな一方的な……
ひどいですよ、こんなのって」
お隣さんが普段通りだから、
私のほうがちょっと怒った声になる。
どうしてこの人を怒るのかは自分でもわからなかったけれど、きっと、不安になったんだろう。
出ていけと言われたら、
おとなしく出ていきかねない人に思えて。
「……一度、落ち着こうか、栗ちゃん。はい」
「えっ?」
私の剣幕とは対照的に、横宮さんは何ひとつ慌てぬままティーカップを手渡してきた。
勢いで受け取ってしまえば、片手でお盆を支えた器用な手つきが赤色のお茶を注ぎこむ。
「どうしてここで?」
「まあいいから飲んで。あと、大丈夫だよ。
それは僕宛の物じゃないから」
「えぇっ?」
最初のコメントを投稿しよう!