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「ところで正解だったらどうなるんだ?」
どこかからピンポーンっていう音が聞こえるのか。それとも世界が光に包まれるのか。
「それも分からないのにゃ。申し訳ないのにゃ」
ほんと使えない精霊め。
「でもそれならさっきの犬のキーホルダーが不正解だと言い切れないんじゃないのか?」
「正解ならばきっと何かが起こるのにゃ」
「でもそれは分からないって……」
「何が起こるかは分からないにゃ。でも何かが起こることは分かるにゃ」
「何でそう言い切れるんだよ」
「だって何も起こらずに奇跡が起こるなんて、明らかに矛盾した話だにゃ」
もうこれ以上深入りするのは時間の無駄に感じた。
「で、今回は違ったと」
「だって何も起こらなかったにゃ。もし何か起こったならばお母さまやお姉さまから電話がかかってきても不思議じゃないにゃ」
たしかに何も起きていないのだが……。
「次を探すのにゃ」
どうやら長くなりそうである。
***
冷蔵庫の野菜室に入れられたジュース、リビングにあるリモコンの間に紛れ込んだまごの手。壊れて浸水した乾燥機。その後も何か不自然なものを見つけてはそれが不正解だという事実を突きつけられた。
「これで家の中はほとんど一通り見たよ」
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