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そんな適当なことでいいのかよ。
「でもこのままだと埒が明かないぞ。不自然な物なんてきっとこの世界にはいくらでもあるだろうし」
「もしかしたら物質的なものではないのかもしれないにゃ」
「というと思い出とかそういったことか?」
「なんか思い当たる節でもあるのかにゃ」
「まあ、なくもないから行ってみるか」
この角を右に曲がってしばらく進むと小さな川がある。その河川敷でチャトラと母さんは初めて会った。一番の思い出の地はここだと思った。
ほどなくして河川敷に到着する。
「この中から嘘を探すのかよ」
ここには自然という完全な秩序がある。ここから嘘を探すなんてなかなか骨の折れることである。それともここで母さんが嘘をついたとでもいうのか。
いずれにせよ分かる気がしない。結局捜査は進まなかった。
その後、近くの公園に行った。ここのベンチで昼寝をすることがチャトラのお気に入りだったのだ。ここなら僕との思いでもあるから答えが分かるかもしれないと思った。
チャトラと遊んだ日々を思い出した。ふかふかとしたチャトラの毛、寝起きの大きなあくび、のんびりと後ろをついて来るチャトラの影。そんなことを鮮明に覚えているのにただ一つ、嘘だけは思い出せない。
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