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「ここです!『I don't know this answer.』って書いているんですけど、よりにもよって『know』の綴りの最後の『W』が『U』になってるんですよっ!」
「…………」
その時、室内には舞を含めて六人の教員が居たが、全員ペンの動きを止めた事で室内に不気味な沈黙が満ちた。
「……何点だ?」
「え?」
「その江田の点数だ」
「ええと……、20点ですね」
「5点マイナスで15点にしておけ」
「なるほど! 東和先生、頭良いですね!」
東和と舞の間でそんな会話が成立したが、立場上傍観できなかった数学科主任教員の田辺が呆れ声で会話に割り込んだ。
「沢井、東和、そこまでにしておけ。点数は20点。答案用紙はコピーを取って英語科に回す。分かったな?」
「……分かりました」
「すみません。沢井が真に受けるとは思いませんでした」
一応素直に謝った二人だったが、再び採点を始めた舞は無意識に愚痴った。
「それにしても……、どうして英語で書くのよ。素直に日本語で『分かりません』って書けば良いじゃない」
「君の気を引きたかったんだろう? やり方が馬鹿で、如何にもガキだが。ガキはガキなりに考えているって事だ」
「はぁ? 意味が分かりませんが?」
「……そうだろうな」
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