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私たちが出会ったのは秋半ば、夜中の1時半を過ぎた頃だった。
私は新しい家に引っ越したばかりで、疲れた体を癒そうとお風呂の湯舟を張る準備をしていた。しかし、全くついていないことに給湯器のエラー。どうにも出来ない感情と寒さで、どっと疲れていた時に届いていたメッセージが、私たちの始まりだった。
そのメッセージはイタリアからで、いわゆる出会い系アプリを通して届いたものだった。世界中で使われているアプリのため、海外の人からメッセージが届くことは良くあることだったが、日本在住ではない人から届くことは極めて稀なことだった。少し驚きはしたものの、悶々とした気持ちを抱えていた私は、とにかく誰かと話がしたくて仕方がなかったので、快く返信を出した。
その日、私たちがしたのは、お互いの住んでいる街や趣味、仕事の話。時間が遅く、あまり多くは話せなかったものの、私はその日、気持ちよく眠りにつくことができた。この日から、私たちはメッセージを交わすようになった。
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