第三章 夢と希望

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第三章 夢と希望

彼の話でとても印象に残った言葉があった。 「夢は、可愛い奥さんと子供と暮らすこと。勿論、未来の奥さんは、今、話をしている日本人の女の子。」 冗談であっても、とても愛おしい人だと思った。「そう思わない?」と聞かれ、「とても良い夢だと思う」と当たり障りのない答えをした。 そして、もう1つ、他愛もない会話が続く中、彼に聞かれたことがあった。次にヨーロッパに行く予定があるか、どうか。私は1年に1度、海外旅行に行っており、昨年の旅行先はオランダだった。彼はその話を覚えていた様だった。とても会いたい、そう言われた。その時は、軽く「そうだね」と返したものの、彼の存在が、私の中ですでに大きくなっていることは、自分でも気が付いていた。 その後も、変わらぬ日常が続いたが、ただ1つ、今までと違っていたこと。彼の「夢」と「会いたい」という言葉が心に残っており、日に日に私も会いたいという気持ちが高まっていった。 私は、この年の旅行先はイタリアに決め、彼に会う決心をした。
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