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盗作も何も話を聞いている限りでは、天道太陽名義で出版された「序列最下位の魔装騎士」こと「夜色のアイスコーヒー」は改変どころか改良が多すぎて「著・殻井証拠原案・天道太陽」としても良いくらいだったらしいですけどね。
しかし、殻井証拠がなりたいものは小説家ではなく編集家で、彼女がやりたいことは作品作りではなく人間作りだったそうですから、やはり「序列最下位の魔装騎士」には太陽の名前を使うことにしたそうです。
それを踏まえれば今の作家「天道太陽」は殻井証拠が作り上げた作品だと言っても過言ではないでしょう。
尽力の結果、接続語すらまともに使えなかった奴をメディア化が内定する作品を作り出せるようになるまでに育て上げたんですからその手腕と努力は壮絶の一言に尽きます。
そしてもう一人、「天道太陽」を形作ったのが殻井証拠だとすれば「天道太陽」を生み出した男が居ました――それが一十一人先生です。
と言うのも。
先述の通り、何故か太陽は一時期小説家の一十一人に師事していたそうなんですよ。
なんでも、太陽が小説家を志すようになったのも一十一人先生の作品がきっかけで、元々知り合いではあった、だとかそんなので。
師事と言っても、漫画家で言うところのアシスタントのようなものだったというだけで――小説家の何をアシストしてたのか知りませんが――小説を書く上での技術を学ぶともに、その他身の回りの世話だとかもやっていたそうですけどね。
ま、肝心の技術の方は殻井さんに扱かれるまでこれっぽっちも伸びなかったそうですが。
一十一人と言えば恐らく貴方も知っての通り、年齢不詳、経歴非公開、正体不明、顔出しNG、SNSの類いも一切やらない――そんな自らについて公表していることはデビューした年と発表作だけと言う謎の小説家でありながら、作品は知ってても作者なんて見ないぜ人間の僕でも名前を知っているような超有名人でもあります。
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