サイトウダイスケには惚れません!

14/16
前へ
/16ページ
次へ
◆ その日の放課後、空き教室に斉藤くんを呼んだ。 入学式に連絡先を交換して以来、初めての連絡だった。 来てくれた斉藤くんは、私を蔑むように見て先に口を開いた。 「さっき2組の女子に聞いたんだけど、2組の齋藤にも告ったんだって?俺って利用されてたって事だよな」 「利用?」 「目立ちたかっただけなんだろ?人を利用して学校の有名人になった気分はどう?」 目立ちたいがために告白し、1ヶ月経って落ち着いてきた頃にまた問題を起こした。 そう捉えられても仕方がない。だからこそきちんと伝えなければと思ったのだ。 「信じるかどうかは斉藤くん次第だけど、私の事をきちんと話すね。 私は『サイトウダイスケ』という名前の人が好き。それは貴方でもあり、2組の齋藤くんでもあり、きっと全国にいる同姓同名全員だと思う。私の家族も同じで、遺伝的な呪いと言ってもいい。 私の公開告白で晒し者にした事は謝る。ごめんなさい」 斉藤くんは一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに私を睨みつけた。 「馬鹿にしてんのか?意味わかんねぇし、頭オカシイだろ」 それだけ言うと教室から出て行こうとするが、扉を開けたところで立ち止まった。 そこにはメグミと齋藤くんがいた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加