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「何だ?現場に復帰か?」
「違うよ。調べてほしい事がある」
「オイオイ、平和担当の女に惚れて、逃げた裏切り者に話す…」
「いいから、言うぞ?」
野太い相手の声にすぐさまの否定を返し、内容を伝える。しばらくの操作音と確認の声が響き、返事が返ってきた。
「該当は3件。どれも行動圏内、ウチ一件は銃持ち。新港の人買い倉庫、大丈夫か?
パンピー風情にはキツイぞ?」
「生憎、パンピー研修期間中だ。ありがとう、お礼は後程。」
「ノロケは勘弁…」
通信を途中で切る。多分、それはない。非常に虚しいが、彼女は世界を愛してる。その寵愛を独占できるのはまだ、先…いや一生な…ゲフン、ゲフン。嫌な咳払いをしながら店主に
事情を告げ、入口に向かう。
以上で俺の虚しい呟きは終わるが、言える事はただ一つ。外に飛び出た彼女はボランティア用のユニフォームに着替える間もなく、すぐに、この席に戻れる事だけは、確実に約束出来る事としよう…(終)
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