甘い香り

3/3
前へ
/3ページ
次へ
高校1年生の3学期。 1月29日に、彼は進学校を退学した。 喫煙をして、注意をした先生を、ぶん殴ったらしい。 彼は、差別的な事も言われた。と、あたしに打ち明けてくれた。 あたしは嬉しかった。 彼の弱気な顔を見て、愛おしくなった。 力なくあたしを抱きしめる彼がとても愛おしいと思った。 初めて、彼があたしを抱きしめてくれた。 彼に、くちづけようとして、唇を彼の口元に近づけた。 彼は、口元を逸らして、 「ごめん。」 と言った。 彼の腕の甘い香り。 あたしは、彼に寄り添って、 泣いた
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加