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素肌の上に羽織った薄水色のダンガリーシャツに腿が半分露出している白のショートパンツとかいうハリウッドスター来ちゃったの?みたいな格好のせいで。
至って無難なジーンズに白Tの霧谷先生との「バカかお前!」「暑いんですもん」というやり取りを聞いて、霧谷先生への好感度がすごい……。
(………アサリ掘ろ………)
ショリショリショリと手を動かす。アサリなんか出ない。泣きそうになってきた。
「──汐見」
「あ、右白」
右白が来て隣にしゃがみ込んだ。ヤンキー座りが板についてて、間違ってもひっくり返らなそうだ。
「何やってんだよ一人で」
脇を肘で突つかれる。
「潮干狩り。左十は?」
「あっちでバーベキューやってる」
指さされた方を見ると大きな木があり、その下で煙が上がっている。グリルを囲んで20人位の上半身裸の男子が奇声を上げて回っている。多分嬉しいんだと思う。その中に左十も居た。
(カレーじゃねえのこういう時。なんかもうフリーダムだなうちの学校)
「おまえ、泣いてた?」
バカ丸出しの光景を眺めているとフードを引っ張られた。
「なわけないだろ」
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