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「でも霧谷先生にはオレに見せない顔見せるじゃん。さっきは何もなかったとしても──そういう関係疑ってもしょうがないだろ!」  先生は困った表情になりオレを見つめる。無言で見つめ返すと俯いて小さく息を吐いた。 「昔から先輩は僕に嫌がらせをして楽しむんです。本当にそれだけです。──こういう言い方は卑怯かもしれないけど……君も右白君とは何もないでしょう?それと──同じです」  うっ、と言葉に詰まる。確かにそれもそうだった。右白の告白なんて想定してなかったし、オレが仕向けたわけでもない。 「信じてもらうしかないですけど──僕は君しか欲しくないんです」  繰り返す先生の言葉が少し素直に入ってくる。 「もう、あんな風にじゃれないでよ──」 「はい。勘違いさせてすみません」  先生が頬を撫で、唇で目元に触れる。それでもやっぱり、まだ全部は水に流せない。不信感というより最近の先生の態度のせいで。 「オレしか欲しくないとか──嘘じゃん。先生オレのことなんか触んないじゃん。オレがガキだから、なんも知らないから、だから嫌んなった?」
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