498人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
チャーリーに甘えた。無反応だ。肩を掴んで揺さぶってやる。カタカタカタとチャーリーは音を立てた。
「そんな事をしたらチャーリーの内臓が飛び出してしまいますよ。簡単に外れますから」
背後から声が掛かる。飛び出すのはオレの心臓の方だ。
(だからなんで音消して来るんだよ!?クセになってんの!?)
振り返って、飛び出すどころか止まりそうになる。
「────っ!!」
なぜか頭から水を滴らせながら、流し目でこちらを見る先生が立っている。
脱いだ上着を片手に掛け、ワイシャツ姿で捲り上げた袖。そして今その逞しい腕を見せつけながら、濡れた髪を?き上げているところだった。ダサい眼鏡は胸ポケットだ。抜かりない。
「ソレ反則だろ!」
頭の中で叫んだつもりが声に出ていた。
先生は微笑むと、少し伏せた目でオレを見た。
「どうかしましたか?」
疑問系だけど不思議そうではない。きっとこんな目で見られるのに慣れてるんだろう。ここまでフェロモン全開にされたら誰だって見惚れるよ……。
「……イイエ、ナンデモナイデス……ていうか、なんでびしょびしょなの?」
「ちょっと買い物に出たら急に降ってきて」
最初のコメントを投稿しよう!