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翌日の昼休み。同じメンツでまた購買に向かう。オレは今にも走り出しそうな二人の後ろを歩いている。
「シオー?今日は伝説のパン、チャレンジしないの?」
左十がオレを振り返る。
「欲しいけど。昨日の今日だしさ」
「あーあー、なるほど。そっかそっか」
右白がわざとらしい声を上げて巻き込むように肩を組んでくる。
「汐見きのう、あの先生に一目惚れしたもんな」
「そうだった。シオ、キラッキラだったよね」
左十が自分こそ輝いた目でオレを見上げる。恋バナ大好きだ。
「告白、しちゃっとくー?」
「そんなわけないだろ単細胞」
(そりゃ昨日はありえない位ドキドキしたし、あの後ずっと先生のことばかり考えてるし、夜も寝れなくて完徹はしたけど)
「自分だってまだ、なんだか良く分かってないし」
「んなことないだろ。どう見ても『先生……すき』って顔に書いてあった」
右白がニヤニヤと楽しそうにからかう。
「う、うるさい……」
「今だって、走るなって注意されたの律儀に守ってんだろ?健気でかっわい」
「怒られたら気を付けるだろ」
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