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股に脚で割り込み、肩をドアに押し付け、オレの動きを封じた先生が、それでも拘束し足りないように深く唇を貪る。応じる余裕も与えてくれない。
唇を合わせたまま大きな手が、服の上から脇腹を擦っていく。ゾクゾクと鳥肌が立つ。手のひらが登ってくる期待で、乳首が固く尖っているのが自分でも分かる。そこを思い切りこねて欲しい──。いやらしい欲望を悟ったみたいに先生の手が胸をこすり上げる。
「ん、ぁっ──あ、ぅんっ……んああっ──!」
抑えきれずに絶対にマズイ音量で声が出た。手で必死に口を押さえても耐えきれずに漏れてしまう。先生の手がシャツをめくり上げた。背中を反らして胸を突き出させ、躊躇うことなく顔が降りていく。目で追いながら焦燥感でいっぱいになる。
(ヤバイ──そんなの、すごい声、出ちゃう──)
唇が乳首に吸い付くと同時に、先生の乾いた手のひらが口を押さえ込んだ。舌で覆われた乳首がネロネロと嬲られる。快感を引き出そうとするような、いやらしい動きをされてビクビクと震えた。
「ん、ん、んんっ、んん──!」
鼻と口を塞がれて声は出ないが息も苦しい。先生は無意識なのか口を塞ぐ力が強すぎて、無理矢理されてるみたいだった。膝がガクガクと震えて──もう立ってられない。
(────滅茶苦茶ヤリたい。このまま、先生とセックスしたい──)
先生だって同じはずだ。違うなんて言わせない。
場所変えて──そう言う為に口元の手を叩いた。その途端、先生が両腕を突っ張って、身体が引き剥がされる。
「──ふ、は、はーっ」
先生が獣みたいに荒い息をはく。真っ黒な瞳に鈍い光が差している。こめかみを汗がひとすじ流れ、ポタリ、と床に染みを作る。
目に映るそれらに本能が脅かされ、つもりもないのにビクッと大きく身体が震えてしまう。先生は唾を飲み、眉を寄せると、オレの肩に額をつけた。
「今日は……もう……帰りなさい──」
整わない息で、掠れた声で、まだそんな事を言う。
(とめようとしたって思った?違う──!)
「先生、オレっ──」
「お願いだから……」
労りの籠められた、やわらかな手つきで後頭部を撫でていく。その手はまだ熱すぎるのに。
────頷くしかなかった。
今までにないほど欲望のままに欲しかった。先生も同じ気持ちになったと思った。
間違ってないだろ──オレを見る目は前よりも熱いのに。
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