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「よーし。じゃあ一学期の授業は終わりだ、課題忘れんなー」  手を叩きながら霧谷先生が声を張り上げ、それで話は打ち切られた。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「おー間宮ぁ。お前そろそろ飲みに行きてえんじゃねえの」  教師の数もまばらになる時刻の職員室。霧谷が白衣をひらめかせて間宮に絡む。周りの目が少ないせいか、はなから敬語も使わない。 「別に行きたくありません。先輩とは特に」 「ふうん。まあオレは良いけど。じゃあ(ツラ)貸せ」  間宮にとってはそれも嫌だが、どうせ話を聞くまで諦めない。しぶしぶと頷いて職員室を出る霧谷に続く。  美術科準備室に間宮を先に入れると、霧谷は電気を点けて扉を閉める。 「あんまな、不安がらせて放置は良くねえぞ。そーゆープレイじゃねえんなら」  前置きなく切り出された不躾な内容にも間宮は眉一つ動かさない。 「何を聞いたんですか」 「据え膳平らげねえなんて、随分お前らしくもねえな」 「いつの話をしてるんですか。そんなのは、もうずっと」  ヒラヒラと片手を上げた霧谷がそれを遮る。
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