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(なにあれ、どういうこと!?あれ?オレ逃げたけどいいのか?問い詰めた方が良かったんじゃね?いやでも、無理でしょ。あんなん──無理だろ)
とりあえず全力で走る。自分のコテージには戻れない。左十と右白の3人部屋で、おいしい展開のすぐ後だ。なにをやってるか分かったもんじゃない。だけど周りには海しかない。隠れるとこなんかどこにもない。
(……入っていけるかよ、あんなアダルトな雰囲気に。18禁コーナーかよっっ)
間宮先生も霧谷先生も二人してすごいエロかった。あれが当たり前の世界ならオレなんか太刀打ちできるはずがない。
走っても走っても白い砂浜だ。汐見元気だなーとかクラスメイトに声をかけられる。皆の目には爆走青春野郎に見えている。
オレはただ──ひとりで泣きたいだけのに。
「汐見君!」
後ろから腕を掴まれた。振りほどくと、またすぐに掴まれる。今度は振りほどけなかったから、暴れたら担ぎ上げられた。
「降ろせよ先生っ!」
「駄目です」
「離せって!」
「出来ません。僕に言い訳させてくれませんか」
「ヤダ!」
「そうですか──」
先生は目に見えてしょぼくれた。
「そこは食い下がれよ!」
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