1:ここはだれ?くま

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 確かにナイフを刺した感触はあった。あったにもかかわらず、無傷で立ち上がる猫。 「……気が済んだかニャ?申し訳ないがニャ、この体は精神体だから、物質的攻撃は無効なんだニャ……」 「……兄と会わせろ。……そして、お前は死ね」 「クマさ~ん!助けてニャ……」 『美加、大丈夫くま。  ハゲ兄貴は生きてる。  お前も死んではしまったが、ハゲ兄ぃと同じ世界に転生するくま。  同じ時間に生きていける。大丈夫くま』 「そっか……  お兄ちゃんは生きているのね……デブちゃん」  スマホから飛び出したクマの存在に疑問符をぶつける事もなく、信じ切っていたのか、気を失い倒れる。 『偽物(疑似人格AI)のクマより信じてもらえない神様って……』 「悪かったニャ!  にしても……、兄妹揃って、神的存在であろう事に気付いていながら、躊躇なく攻撃するとはニャ……」 『諦めろくま。  どっちも自分の兄妹以外、どうでもいいと思っていたからな……』  
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