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「彩香に告白すんの?」
「そのうち、したいと思ってる。多分もう限界くる」
はぁーっとテーブルに顔を伏せる。
「頑張れよ」
机に顔を伏せている翔の頭をポンっと叩く。
応援の言葉なんて、俺には似合わないのに。
本当はそんな日来なければいいと思っている。
もし、ふたりが付き合ってしまったら、思うことさえもいけないことな気がしてしまうから。
まだ、付き合ってない今のうちは、思う存分彩香のことを好きでいることができるから。
「他に彩香のことを好きなやつがいないといいな」
「まだそんな心配してたのかよ」
「やっぱり俺らの仲壊したくねーし」
そもそも俺が違うって言ってんだから、残るは翼しかいない。
その翼はたぶん、桜苗のことが好きだ。
「.......んな、心配するよりも彩香に好きになってもらう方が先だろ」
「.......たしかに。こんな心配しても振られたら意味ねーか」
ははっと笑う翔。
「なるようにしかならねーよ」
翔に言ってるようで、自分にも言い聞かせる言葉。
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