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「お前、なんか香に言ったか？」
昼休み。
俺の前の席に翼が座る。
「なんかって？」
「香のこと、好きじゃないとかそれ系のこと」
「好きなやつがいるとは言った」
「なるほどね」
翼が納得したように頷く。
「なんかあった？」
「香、元気ない気がしたからさ」
「なんで、それが俺になんだよ」
「いや、どうみてもお前のこと好きじゃん」
翼が苦笑い。
「なんだよ、みんな分かってんのかよ」
「告白される前にお前は牽制したんだな」
「あぁ。その方が俺はあいつの気持ち知らないていでいけるから、気まずくもならねーかなって」
母さんの作った弁当を口に入れながら、翼に話す。
「お前、そーいうのうまいよな」
「そう？」
「危険回避能力的な。俺はお前のそーいうところいいと思うけどな」
俺の頭をポンっと叩く。
「なんだ、それ。まぁ、ありがとう」
多分、この方法がいいと思うなんて、俺らだけだ。
きっと、女の子たちの考えは違うだろう。
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