牽制~Ikuto~

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「俺も郁人のしたことは間違ってねぇと思うけどさ、それって俺らが男だからなんだよな」 「そうだな」 香に対して言ったことに後悔はない。 でも、俺がいま2人に話しているように、彩香と桜苗は香からきくだろう。 きっと彩香と桜苗は、女の子だから。 俺らみたいな考えにはならないだろうと思う。 「でもさ、それでも期待持たせるより賢明な判断だろ」 「あぁ、期待させるのは優しさじゃないと思う」 翔と翼が口々に言い合う。 「.......だよな」 あの場で俺が、香のことを受け入れたとして、ただ香が勘違いしてしまうだけだ。 「間違ってないよな」 香に言ったこともわ 俺が彩香のことを好きなことも。 彩香のことを好きじゃないということも。 どれも間違いではないと俺は自分にいいきかせる。 間違ってないはずだから。 「モテる男は違うねぇー」 翼が俺の背中をボンッと叩く。 「いって」 なんて言いながら、こいつらが俺の友達でよかったと心から思った。
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