彼の好きな人~Ayaka~

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「どしたの?2人とも、そんなとこで.......って、香泣いてる?」 まだ少し瞳が潤んでいる香をみて、桜苗が走ってくる。 「振られた」 「え?郁人に告白したの?」 桜苗も香が郁人のことを好きなのはわかっているようで、誰?とかきくこともなく郁人の名前がでる。 「ううん、言うより先に好きな人がいるって言われた」 「.......そうなんだ」 桜苗の眉が下がる。 「ふたりが心配してくれたから、少し元気でたよ。ありがとう」 力なく笑うけど、精一杯元気に見せようとしてる香に胸が痛くなる。 「気まずくなったりするのかな?こういうのって.......」 桜苗が不安そうな顔になる。 「告ったわけでもないし、香次第じゃない?」 「あたしの勝手な気持ちで、気まずくなるのは嫌だし、みんなでなかよくしたいから。あたし頑張るよ」 香が立ち上がる。 「.......香」 「難しいよね、こういうグループ的なのの恋って.......。そういうの嫌だから誰のことも好きになるつもりなかったのに」 香がはぁっとため息をつく。
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