77人が本棚に入れています
本棚に追加
「どしたの?2人とも、そんなとこで.......って、香泣いてる?」
まだ少し瞳が潤んでいる香をみて、桜苗が走ってくる。
「振られた」
「え?郁人に告白したの?」
桜苗も香が郁人のことを好きなのはわかっているようで、誰?とかきくこともなく郁人の名前がでる。
「ううん、言うより先に好きな人がいるって言われた」
「.......そうなんだ」
桜苗の眉が下がる。
「ふたりが心配してくれたから、少し元気でたよ。ありがとう」
力なく笑うけど、精一杯元気に見せようとしてる香に胸が痛くなる。
「気まずくなったりするのかな?こういうのって.......」
桜苗が不安そうな顔になる。
「告ったわけでもないし、香次第じゃない?」
「あたしの勝手な気持ちで、気まずくなるのは嫌だし、みんなでなかよくしたいから。あたし頑張るよ」
香が立ち上がる。
「.......香」
「難しいよね、こういうグループ的なのの恋って.......。そういうの嫌だから誰のことも好きになるつもりなかったのに」
香がはぁっとため息をつく。
最初のコメントを投稿しよう!