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あれから数年が経った。
僕は現在、再び会社に勤めている。
もちろん前とは別の会社だ。
特に刺激もないが平穏な生活を気に入っている。
叔父とは月に2回はあの居酒屋で酒を飲む。
叔父と牧子さんの交際も順調なようだ。
今日は寒くもなく暑くもない、風の心地よい休日の昼下がりだ。
僕は自分の部屋のベッドに大の字なる。
昼寝日和だと思った。
そして僕はそのまま眠ってしまった。
いつの間にか長い時間が経過してたらしい。
窓の外はすっかり暗くなっている。
窓を開けるまでもなくわかる。
霧雨だ。
僕は今すぐにでも叔父に電話したい衝動に駆られたがなんとか堪えた。
無意識に顔の筋肉が緩む。
僕は霧雨の降る窓の外を眺めながら次の休日の予定を考える。
新しいスーツを新調しよう。
靴もピカピカに磨いておこう。
お祝いのメッセージカードにはどんな言葉をしたためようか。
窓に映った自分の顔はとても幸せそうな顔をしていた。
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