第三章 中学生時代

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「ちょ…ちょっと、朔っ」 制服のスカートを捲り上げられ朔の大きな掌が太腿に当てられた。 「ダメ、か?」 「え」 「……」 「……朔」 朔がいいたいこと、したいことが解ってしまって一気に体が熱を帯びた。 (したいって……こと、だよね?) 朔の艶っぽい視線をまともに受けて私までその熱に引っ張られそうだった。 (でも……私たちまだ15歳でそういの……早くない?) そう思ったと同時に頭に浮かんだのは友だちが話していた体験談だった。 早く処女を捨てたいという風潮の中で大して好きでもない人と経験したことを自慢げに話していた数人の友だちのことが脳裏に浮かぶ。 (好きでもない人と出来るの?) 大切な初めてをよく知りもしない人にノリで捧げた友だちのことを羨ましいとは思わなかった。 ただ……私の知らない世界をいち早く体験していたことに関してはほんの少しだけ凄いなと思った。 ぼんやりとそんなことを考えている間にも朔の掌はじわじわと上へと這っていた。 「……ダメ、か?」 「~~~」 もう一度私に訊いた朔の顔は真っ赤になりながらもとても真剣だった。 恥ずかしがっている癖にとても真面目に真剣に私を欲しがっている顏。
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