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第四章 社会人時代
私と朔の交際は中3の夏からだった。
それから私たちは同じ高校、大学に進学し、其々進む道を模索しながら切磋琢磨して来た。
交際6年目を迎える頃にはお互い少しずつ結婚を意識するようになっていた。
元々朔は自分自身の家族というコミュニティーに強い憧れを抱いていて、早く私と家族になりたいと──つまり結婚願望が非常に強かった。
勿論私も朔と結婚して家族という形で朔を今まで以上に支え、幸せにしたいという気持ちがあった。
ただ、現実問題として大学を卒業して社会人一年生で毎日仕事に忙殺されているとそういう気持ちが希薄になってしまうところがあったのだ。
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