第四章 社会人時代

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「ほら……俺、元気でしょ」 「~~~っ」 裸の素肌に押し付けられた朔の熱に益々顔が熱くなった。 「紅実……」 「んっ」 耳朶を甘噛みされてフルッと体が撓った。 (昨日あんなにしたのに……本当元気過ぎっ) 結婚して一緒に寝るようになってから朔は毎晩私を求めた。 そして朝起きてからもその熱が止むこと無く私を快楽の底に沈めた。 (愛されているなぁ……) 朔と触れ合う度に感じる温かな気持ち。 それを受けると私も朔のことが愛おしくなって、受けた分以上の愛情を注ぎ込みたいと思ってしまう。 「紅実……俺の紅実……可愛い」 「ふぁ、あっ……朔……」 激しい律動が続く中、囁かれる甘い言葉が蕩けた私の頭に解けて行く。 (こんなに幸せでいいのかな?) 時々いつかこの幸せが儚く消えてしまう日が来るんじゃないのか、なんて不安に駆られるほどに私は幸せの絶頂にいた。 やがてその不安が現実となる日がもう間もなく来ようとしていた───。
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