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観測 1
注文の入った料理を出し終えたあと小路丸は「うーん」と考え込んでしまった。
小路丸が悩んでいるのは山下からの無茶な注文のことだった。人が花になるという現象が本当にありうるのだろうか。しかしわかっているのはそれだけであまりにも情報が足りなさすぎる。
そしてもうひとつ、現実に実在するらしい人参果のほうも気になるのだがこちらも情報がない。山下は人参果に関してはなにも言わなかったが、小路丸はこの人参果と人が花になるという現象は関係しているのではないかそんな予感がしていた。しかし実物を手に入れられるのであれば調べようもあるのだが、山下も張劉帆も人参果を手に入れていない。
そもそも人参果というものが本当に存在するのだろうか。
「なにか悩みごとかい?」とカウンターで昼のランチを食べていた今井先生が小路丸の顔をみて心配そうに言った。今井先生は小路亭の近くにある医大に勤めている先生だ。
「わたしのことじゃあないんですけど、先輩がまた厄介なことを持ち込んできてしまって」
「山下くんがまたなにかやらかしたのかい。彼はトラブルメイカーだからねえ」
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