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「僕もまだ食べたことがないのでそれが珍しいものなのかどうかわからないんですが、週末に人参果を食べてくるんです」
「人参果だと」
「ええ、西遊記にでてくる人参果です。といってもたぶん人間の赤ん坊のような形をした果物かなんかだと思うんですけどね」
「いや、それっておもいっきり珍しい食い物じゃないか」
「いや山下さん、西遊記は空想の話ですから、人参果も実際にあるわけじゃないですよ。たぶん、赤ん坊の形をした入れ物をかぶせて育てたりんごとかそんなものじゃないかと思うんです。なのであまり期待はしないでください」
「俺も一緒に行くのは駄目なのかい」
「ごめんなさい、山下さんを連れて行くことはできないんです。かわりにその人参果の一部だけでもタッパーにでも入れて持ち帰ってきますからそれで我慢してください」
「そうか、そこまでしてくれるんならそれ以上無理は言わない。すまないがよろしく頼むよ」
そして週末、土曜日の夜。今ごろ張くんは人参果を食べているのかな、よし俺も飯でも食いに出かけるかと安ホテルから外に出ようとしたところで張劉帆から電話がかかってきた。
「山下さん、今から会ってもらえますか」
「張くんか、ちょうど飯を食いに行こうと思っていたんだ。よかったら一緒に食わないか」
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