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「でも、付き合いすら認めていないんならどうして人参果なんて珍しいものを食べさせようと招待してくれたんだ?」
「それが僕にもわからないんです、ひょっとしたら僕たちのことを許してくれたのかもしれないと、そう思ったので今日はちょっと期待して彼女の実家に行ったんですが」
「ひどい仕打ちをうけたのか」
「いえ、そんなことはないのですが、会ってくれることもなく玄関先で追い返されてしまったんです」
「門前払いというやつか」
「門前払いってよくわかりませんが、玄関の扉すら開けることなく玄関越しに一言、今日は帰ってくれと」
「彼女も出てこなかったのか」
「ええ、リズワンギュル、ああ、彼女の名前なんですけど、リズワンギュルに会わせてくださいと言ったんですが、ムヘンメトさんは帰れとしか言ってくれず、それ以上そこにいてもムヘンメトさんの気分を害してしまうだけだと思って帰ることにしたんですが、彼女の家を出てしばらく歩いていると彼女のお母さんが追いかけてきてくれて」とそこで張劉帆は言葉をつまらせた。
「なにかちょっと飲んだほうがいいんじゃないか、頼もうか」
「いえ、大丈夫です。彼女のお母さんが、僕にこう言ったんです。リズワンギュルは花になってしまった。だからもう会わないでくれと」
「花になる?」
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