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青鳥幸知はどこにでもいる普通の女の子だった。
テレビを見て、舞台に憧れ、ハリウッドで映画女優になるのが夢。
両親が事故で死に、祖父と一緒に暮らす日々でも、明るくて社交的で活発、悲しい状況 でもくじけず、近所の人々から評判の良い子だ。
そんなある日、ふと小さなことで疑問が浮かんだ。
最初のきっかけは小学校のテストだ。
その日は体調不良で頭が回らず、気分も乗らない。全ての回答を適当に答え、後で挽回すればいいと覚悟していた。
しかし、意外なことにテストは全問正解だった。
全50問のテストを適当に答えて満点をとる確率はいくつだろう。
最初はあまり深く意識しなかったが、なんとなく次のテストも前回と同じように全て勘で答えた。
結果は前回と同じで、満点。
両親や教師、同級生から尊敬の眼差しを浴びるが、幸知はちっとも嬉しくなかった。運も実力の内というが、自分の運の良さはおかしいのでは、と疑問を感じ始めた。
高校生になる頃には、自分の運が良すぎる生活に嫌気が指していた。
些細なことでは、通学の途中で一万札を拾ったり、巷で人気店のパンを並ばずに毎朝買えたりと、何か良いことがあると幸知はいつも自分の隣にいる死神のせいだと思うようになった。
見た目は死神だが、俗に言う幸運の女神なんじゃないかと、確信したのは、県内で一番弱小だと比喩されるバドミントン部で優勝した時だ。
特に特別なことをした記憶はない。
毎日、朝練に参加し自分の弱点や得意なことを分析し、相手チームの得手不得手を調べる。
真面目に頑張った結果だと祖父は言うが、幸知は違うと内心で否定する。
全て幸運の女神の仕業だと。
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