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杖を持った和尚さんは、子狐の後をついて行きました。
すると、山のふもとに立った一本のブナの根元で母親らしき痩せた狐が死んでおりました。
「…かわいそうにな…食べるものがなかったのじゃろ…」
和尚さんが手を合わせていると、
「…クン、クン」
と、子狐が哀しい声で鳴きました。
和尚さんは母狐を抱き抱えると、寺に戻り、庭に埋めてやりました。
そして、母親を亡くした子狐を不憫に思った和尚さんは、子狐を飼うことにしました。
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